介護付き有料老人ホーム

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介護付き有料老人ホームは食事、掃除、洗濯、入浴、排せつなどの日常生活のサポートから、健康管理に至るまでの介護サービスが受けられる老人施設です。

基本的には介護が必要な65歳以上の高齢者のための居住施設ですが、心身ともに健康である人も入居できる混合型という施設もあります。

認知症や胃ろう、気管切開などの医療的なケアが充実している介護付き有料老人ホームもあります。

リハビリテーションや、様々なカウンセリング、レクリエーション、文化教室など介護付き有料老人ホームには様々なニーズに対応するものなど、施設スタッフや外部のスタッフなどを含んだ幅広いバリエーションによるサービスを提供する施設もあります。

また、外部事業者による介護サービスを提供する外部事業サービス型もあります。

介護付き有料老人ホームの利用対象者と基準

介護付き有料老人ホームの利用対象者は、その施設ごとにさまざまです。原則としては65歳以上の高齢者ですが、健康で自立している人も多く入居している施設もあります。

基本的に共同生活ですから、共同生活に馴染めるという人であることは条件ですが、介護専用の介護付き有料老人ホームなどでは、認知症を患っている利用者もいます。

介護付き専用タイプでは要介護度が1以上であることが条件ですが、混合型ではその中に健康な自立生活を送っている高齢者も存在しています。

他の老人施設に比べて比較的自由度が高く、色々なニーズに応えることが可能ですが、身元引受人のいない高齢者や、感染症にかかっている高齢者などは入所できない場合が多いので、各施設に問い合わせてみましょう。

費用面で高額になる施設もありますので、入所の基準として支払いが可能な収入や資産があるかもチェックされます。

介護付き有料老人ホームの利用料

介護付き有料老人ホームの利用料では、基本的に入居する際の入居一時金と月額利用料が必要です。入居の際に必要な入居一時金は施設によって大きく異なります。

全くかからないという介護付き有料老人ホームもありますが、ほとんどの場合は、数百万円から数千万円、1億円以上という施設も珍しくないので費用には大きな幅があります。

介護付き有料老人ホームの立地条件や施設の設備の充実、サービスの充実度によって様々ですが、都会の介護付き有料老人ホームの方が入居一時金は高額である場合が多いです。

入居時に費用は無料から数億円というものですが、基本的には、そのお金を入居時に払うことで最期までその施設で生活する権利を買ったという考え方になります。

施設ごとに、償却期間や償却率などが違いますが、もし償却期間内に入居者が途中退所したり、死亡した場合に未償却の金額が残っている場合は、返還金として返却されます。

入居一時金に関しては、退所時に利用者やその家族と介護付き有料老人ホーム側で認識の不一致でトラブルになるケースが多くあります。金額だけでなく、どのような内容のお金なのか、また、償却期間や償却率などをしっかり両者で話し合って納得しておくことが大切です。

入居した後には、月額の利用料が発生しますが、居住費、共益費、管理費、水道光熱費、食費、娯楽費などが実費でかかるほかに、介護保険での介護サービスを受けるならば、収入などに応じて利用料に対して自己負担割合が1割か2割でかかります。

その他、医療費、やおむつ代、外出の付き添い費、病院への通院付き添い費などがかかります。一般的な場合、月額は最低20万円ほどかかると見ておくと良いでしょう。

その他の費用としては、要介護度か重くなった場合などに、契約以上に介護スタッフを配置する場合にかかってくる費用です。

月額の利用料に上乗せ分の費用が加算される場合と、入居時に一括して支払うケースがありますので、そのあたりも介護付き有料老人ホーム側としっかり話し合っておきましょう。

介護付き有料老人ホームで介護保険サービスを受ける場合

介護付き有料老人ホームで介護保険に該当する介護サービスを受ける場合は要介護度や地域などによって自己負担割合が変ります。

特定施設入居者生活介護の指定を受けている介護付き有料老人ホームは介護保険のサービス利用額は日割りで計算されますが、基本的には自己負担割合は1割です。

要介護1の場合、1ヵ月の自己負担額は自己負担割合が1割の場合は16,000円ほど、要介護5の場合は24,000円ほどです。

介護付き有料老人ホームのクーリングオフ制度

介護付き有料老人ホームでは、入居一時金などが非常に高額な介護付き有料老人ホームもあって入居する側も非常に難しい選択を迫られます。

そこで2006年からは、介護付き有料老人ホームと契約した日から90日以内に契約を解除した場合は入居一時金を全額返還するというクーリングオフが認められました。

入居する側も90日以内であれば、入居一時金を保証される制度があるので安心して入居できるようになっています。なお、入居していた期間の月々にかかった家賃や水道光熱費、食費などは自己負担する必要があります。

介護付き有料老人ホームでの介護と医療

介護付き有料老人ホームでは、24時間365日専門の介護スタッフが常駐してサービスをおこなうというものがほとんどです。医療面では、医師のいる介護付き有料老人ホームや医療機関との連携によって入居者の健康管理を行っていたりする施設もあります。

基本的に感染症などにかかっている人は入居できないとする施設が多いですが、結核やMRSAなどの感染症にかかっていても入居可能な施設もあります。また、胃ろうやストマ、気管切開などの医療ケアにも対応する施設もあります。

提供するサービスも様々ですので、健康面や介護面での心配を抱えているひとは入居する際に介護付き有料老人ホーム側に相談しましょう。

介護付き有料老人ホームの設備

介護付き有料老人ホームでは、施設設備には大きく幅があります。病院のようなシンプルで機能的な施設から豪華なホテルのような施設まで様々ですが、原則全館バリアフリーになっており、緊急時の通報装置も各所に備え付けられています。

居室内にはトイレや浴室もあるのでマンションに住んでいるような感覚ですが、万が一、寝たきりの生活になっても施設内に機械浴が出来る施設もありますので安心です。

その他、共同生活者とコミュニケーションをとるための談話室、レクリエーション施設や各種リハビリテーション室、さらにはカラオケやゲームを楽しむ部屋など娯楽要素が多い施設もあります。

特定施設指定の介護付き有料老人ホーム

特定施設指定の介護付き有料老人ホームでは、運営に関する基準を満たしておく必要があります。

福祉老人法による介護、看護の専門職員、作業療法士、理学療法士などの機能訓練指導員、常勤職員の人数、居住スペースの面積、介護に必要なバリアフリー設備や入居者に対する重要事項説明とその内容に対する同意書の有無などがその基準です。

都道府県により特定施設入居者生活介護指定を受けた施設のみが、特定施設指定の介護付き有料老人ホームと呼ぶことが出来ます。

介護度に合わせて1日ごとに介護保険での自己負担割合により介護サービスを定額で受けることが可能です。

介護付き有料老人ホームでの幅広いサービス

介護付き有料老人ホームでは、介護面、日常生活面でのサポートを幅広いサービスで対応してくれます。食事面でも毎食栄養面を考えながら季節感あふれる料理を提供する施設もあります。

運動面でも専門のトレーナーがいたり、身体機能回回復のためにリハビリテーションに力を入れている施設もあります。まだまだ元気な人たちが毎日充実した生活を送れるように将棋や盆栽、手芸、カラオケ、料理などのサークルがある施設もあります。みんなで外出して花見に行ったり旅行に行ったり、入居者の誕生会をしたりする施設も多いです。

入居後に入居者が楽しく過ごせるように工夫のある施設も多いでの色々と調べてみましょう。

介護付き有料老人ホームに入所するには

介護付き有料老人ホームに入居を希望する場合は、各施設に直接申し込みをします。入居の申し込みがあったら、施設のスタッフが面接をし、各種書類をチェックし、医療面や、支払いが可能な入所希望者であるのかなどを総合的に判断して入居許可が下ります。

介護付き有料老人ホームは民間企業からの福祉事業参入で施設数が急激に増加しています。費用面などで入居条件が合えば即入居可能な施設も多いでの入居できにくい施設ではありません。

全国の介護付き有料老人ホームの施設利用率は85パーセントほどですが、高齢者化がどんどん加速すると介護付き有料老人ホームに入居することも徐々に難しくなってくるかもしれません。

介護付き有料老人ホームのメリット

介護付き有料老人ホームは民間の事業者が運営している施設ですので、タイプが様々に分かれます。また、介護付き有料老人ホームは受け入れる高齢者の健康状態などにも幅広く対応する施設が多くあります。

サービス面でも施設によって差があるので選択肢の多い施設といえます。充実したレクリエーションサービスを提供したり、重度の要介護者が終身制で安心してサービスを受けることが可能な施設もあります。ほとんどの施設が医療ケアに対応します。

介護付き有料老人ホームのデメリット

幅広いニーズにきめ細かく応えるサービスを提供することを売りにした施設も多いですが、そういった施設は入居一時金や月額の利用料が非常に高くなります。

また、外部サービスを利用する形態をとっている介護付き有料老人ホームでは要介護度が高いと費用が割高になります。様々なタイプの介護付き有料老人ホームがあるので、利用する側の選択肢も多く、どの施設が本人に適したタイプなのかという見極めも難しい面もあります。

良い介護付き有料老人ホームを選ぶコツ

介護付き有料老人ホームは数が多いですが、どれか1つを選択するとなると非常に難しいです。気に入って入居しても、実際に入居してから施設に満足できずに退所してしまうという人も多いのです。

入居してから、予想以上の費用がかかってしまって退所するという人もいます。

どのサービスにどれくらいの料金がかかるのかは具体的に認識しておく必要があります。
また、個室での居住ではありますが、共同生活であることには変りありません。食事やレクリエーションを共にする人たちとの関係は非常に大切です。

ちょっとした疑問でも納得いくまでスタッフに質問して即座に自分の疑問点を解決しましょう。その場で安易に決定するのではなく、落ち着いて周りの人の意見を参考にしながら施設選びをしましょう。

施設の設備については、終のすみかとして選ぶのであれば、今の段階で元気でも時間と共に介護が必要になるときがやってきます。

エレベーターの大きさや数、通路の広さ、お風呂の種類、施設全体の清潔感、居室には何が装備されているか、緊急時のナースコールの有無なども重要です。

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