健康型有料老人ホームとは、まさに健康で自立した生活を送り、介護の必要性のない高齢者のための施設です。
健康な老人でも、歳をとって食事や掃除、洗濯などの家事がおっくうになってきたり、独居の場合、緊急事態が起こったときの不安がなくなるために入居するという高齢者もいます。
子供がいても遠方で様子をちょくちょく見にいくことができない場合などに、家族が高齢者に健康型有料老人ホームを勧めたり、配偶者が亡くなった男性高齢者などは家事などをサービスしてくれるので気楽に過ごせるという理由で入居する人も多いです。
元気で自立した生活を送ることが原則の施設ですので、介護が必要になってしまうと退所しなくてはいけません。
しかし、元気であれば生活を楽しませる工夫がある施設です。
露天風呂やスポーツジム、プール、趣味室などがある施設も多いです。
有料老人ホームの割合から見ると健康型有料老人ホームの割合は非常に少ない状態です。理由としては、介護を必要とした段階で退所する必要があることでしょう。高齢化が進む日本において安心して長く住み続けることができないという理由であまり人気がありません。
元気で自立しているならば、健康型有料老人ホームというサービス形態にとらわれずにシルバーマンションや高齢者向けのマンションを検討する人も増えています。
このページの目次
健康型有料老人ホームの対象者と入居条件
健康型有料老人ホームでは、基本的に60歳以上の高齢者の入居となっています。
自立して健康であること、伝染病などに感染していないことなどが入居条件に挙げられますが、施設によっては軽度の要介護状態ならば入居し続けることができるところもあります。
認知症は基本的に対応しません。また、利用料金の支払いが可能かどうか、身元引受人がいるかどうかこともチェックされます。
共同生活の必要はありません。
健康型有料老人ホームでのサービス
健康型有料老人ホームでは、施設のスタッフによって、食事・掃除・洗濯などのサービス、見守りと緊急時の対応が提供されます。
ほとんどの施設では、近くの専属の医療機関との提携で入居者の定期的な健康チェックや治療を受けることができることになっています。他の利用者との共同生活は必要でないので、家事サービス付きのマンションに住んでいるように生活できると考えましょう。
健康型有料老人ホームの設備
健康型有料老人ホームの設備は施設によって様々なタイプがあります。入所者の居室は個室で個室にはトイレ、浴室、キッチンなどの設備がありますし、間取りも部屋の広さもさまざまです。
バリアフリーになっている施設が多いのでバリアフリーのマンションのような雰囲気です。共同の施設として入居者が一緒に食事を取ることができる食堂やリビングルーム、談話室、レクリエーション室、理容室、売店があります。
高級な施設になれば温泉施設があったり、スポーツジム、プール、フィットネス、図書館、マージャン室、カラオケ室などもある施設もあります。
また、洗濯室があり、自分で洗濯したり、代行サービスを利用するという形式の施設もありますので、各施設に詳細は問い合わせてみましょう。
健康型有料老人ホームの利用料
健康型有料老人ホームは入居時に、入居一時金を初期費用として支払い、入居後は月々にかかった費用を支払うという形式が一般的です。
入居一時金はほとんどの施設の支払いがありますが、中には入居一時金はないという施設もあります。入居一時金は、一般的には数百万円から数億円という具合に非常に幅が広いです。
入居一時金は償却期間や償却率は施設ごとに異なっていますが、退所するまでに未償却分が残っている場合は払い戻しとなりますので、入所施設の入居一時金の金額だけを見るのではなく、何年間かかって償却するのかまでしっかり把握しましょう。
入所一時金という名称でない施設もありますし、減価償却せずに退所した場合に返金されないところもあります。
都会の施設のサービスが充実しているというところは入居一時金が非常に高額ですが、その分、施設に入りながら自由度もあり、趣味も楽しめて、安心しながら生活を満喫できます。
月々の生活費は10万円から40万円ほどになります。基本的には介護を必要とする人は入居できませんが、軽度の場合、外部の介護サービス事業者に委託して介護サービスを受けることができる施設もあります。その場合は、介護保険による介護サービスを自己負担割合に応じて別途支払うという形になります。
費用は多くかかる施設ですが、収入や課税額によって費用の減額などはありません。
健康型有料老人ホームのメリット
身体的には健康だけど、食事、洗濯、掃除などの家事をするのが高齢者になるとおっくうになるものです。居室にはトイレ、浴室、キッチンという基本的なものは備わっています。
ですから、ホテルで過ごしているように暮らすことができるので余生を好きなことだけに打ち込んで有意義に暮らせます。介護スタッフは常駐していませんが、緊急時の対応や見守りはサービスされるので安心です。
独居の高齢者や男性の高齢者は気楽に安心して暮らせるので魅力的です。健康で自立していることが入居の条件ですが、軽度の要介護度であれば外部の介護事業者と契約して介護サービスを受けることができます。
また、多くの健康型有料老人ホームでは提携している病院があるので健康管理や調子が悪い時などは病院に連れて行ってもらえます。
健康型有料老人ホームのデメリット
健康であることが条件なので重度の要介護度の人は入居できませんし、そうなった場合は基本的に住み続けることはできません。
入居一時金などが高額であっても要介護の状態になると退所を要請されるので次の施設を探す必要があり心配があります。また、介護サービスを受ける場合、介護サービス費用が割高になります。
金銭的な余裕のある人には色々なアクティビティもあり充実した施設ですが、健康と安全というシンプルな用途だけを望む人にとっては非常に高額な費用のかかる施設です。
良い健康型有料老人ホームを選ぶコツ
健康型有料老人ホームが他の老人施設と違う点は、入居者が健康である、自立した生活を送ることができることです。
健康な高齢者が安心して生活できること、充実した時間を送ることができる施設であるかが良い健康型湯量老人ホームを選ぶ最大のコツです。
まず、どの地域の施設で過ごすのかをインターネットなどで調べてパンフレットを取り寄せます。パンフレットの取り寄せには専用のサイトが多くあるので気になる施設のパンフレットを複数取り寄せるとよいでしょう。
健康型有料老人ホームは家選びと一緒ですので、実際に住む本人が必ず施設を訪問することが大切です。
1人で訪問するのではなく、できれば近しい家族と一緒に見学しましょう。利用者だけの目線よりも、複数の目線が合った方が気づく点も多いものです。
いくつかの施設では、実際に体験入居ができるサービスがあります。入居体験ができると、1日の流れがわかりますし、職員の雰囲気、入居者の雰囲気、食事の形態などがわかります。
特に調べずにいきなり入居して、予想とは違う生活に馴染めず、退所してしまう人も多いので納得いくまで調べたほうがよいでしょう。
健康型有料老人ホームの見学チェックポイント
健康型有料老人ホームを見学したらどこをチェックすれば良いのでしょうか？必ずチェックするべき点を説明します。入所するまえの下調べは徹底して行ったほうが本人にも周りの家族にも安心です。
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入居一時金が返金されないところもありますので慎重に選びましょう。
立地条件を確かめましょう
施設の立地条件や周辺環境というものは意外に大切です。これはパンフレットだけではなかなか分からないことです。まず、周囲の環境ですが、道路や線路が近過ぎたり、夜遅くまで賑わうような商業施設周りにあると騒音でゆっくり休めません。
また、施設の回りに空気を悪くするような不衛生な施設がないかどうかもチェックします。健康である入居者で構成されている施設なので、入居者が旅行に出たり、買い物にでかけたりは日常にあります。
大自然一杯の施設がお好みなら田園風景広がる施設でも良いですが、ある程度、自分で出かけようと考えているならば、交通の便利が良いところがいいでしょう。
田舎でも都会からのアクセスが良いところでないと家族がなかなか会いに来ることができません。施設によっては来訪する家族のためのゲストルームを備えているところもありますし、来客時の駐車場も完備されているかもたしかめましょう。
居室の状態
入居した場合、一番長い時間を過ごすことになるスペースが居室です。居室の居心地が悪いと気持ちよく過ごすことは不可能といってもいいでしょう。
居室の広さ、設備、清潔さ、備え付けの家具の使い勝手などチェックするところは多いです。できれば、女性の目でチェックしたほうがよいでしょう。
医療機関との連携
多くの健康型有料老人ホームでは提携する近隣の医療機関があります。
近隣といえども、どの程度離れた病院なのか調べましょう。病院の評判や医師の評判、往診の有無、医療ケアの有無も重要事項です。どんな診療科を備えているかも把握しましょう。
入居者を見る
プライベートな居室もあり、特に共同生活を望まないという場合も、同じ建物で暮らす人々がどんな人達なのか知っておくことは大切です。共同スペースも多い施設ですので、全く係わり合いがなく過ごすことはできません。夫婦で入居しているという人たちも多いですが、男性と女性の人数比も大切です。
食事の雰囲気
食事というものは生きていく上で非常に重要なことです。その食事が毎食気に入らなかったり、味付けやメニューが好みではなかったりした場合、人生の楽しみが多く失われると考えても大げさではありません。
多くの施設ではお願いすると試食もさせてくれますので是非一度食べて確かめてみましょう。また、健康面から考えられたメニューであることも重要です。
食事がどこで調理されているのかという点も確認します。
施設内で作られている場合は、好き嫌い把握してくれて考慮してくれたり、好きなものを作ってくれたりというサービスもあります。
料金の面でも、1ヵ月で決まった分だけ食事代を徴収される施設や、食べた分だけ請求される施設など様々ですので細かく確かめましょう。共同スペースで食事を取る場合、時間は何時なのか、その時間までに食べないと食事できないというような時間的制限があるのかも聞きます。
共有スペース
共有スペースが施設はトイレ、浴場、リビング、娯楽室、廊下などしっかり回ります。安全を確保できるようなスペース的ゆとりがあるのか、手すりはしっかりついているか、エレベーターの数や場所などを見てから、清潔感や雰囲気をチェックします。
共同の浴場などは利用できる時間や回数、機械使用の浴槽の有無を確かめます。健康であることが入居の条件ながらほとんどの施設では機械浴槽があります。
レクリエーションの内容
非常に元気なうちは施設内に留まらず、色々なところに出かけるなど可能ですが、足腰が弱ってくるとどうしても施設内でのレクリエーションが楽しみになります。
レクリエーションや趣味の教室などの選択肢が多いと飽きることなく充実した生活を送ることができます。
できるだけ本人の趣味にあうレクリエーションを企画している施設が良いでしょう。男性などに多いのですが、あまり集団で行うレクリエーションに参加したくないという人がいます。そういった場合の自由度はあるのか、他の選択肢があるのかという面も重要です。
